英語:Federal Open Market Committee、略称:FOMC

連邦公開市場委員会(れんぽうこうかいしじょういいんかい、英語:Federal Open Market Committee、略称:FOMC)とは、アメリカ合衆国の金融政策の一つである公開市場操作国債買いオペなどを通じて金融機関の資金需給を調節すること)の方針を決定する委員会のこと。

FOMCは、アメリカの中央銀行ともいうべきFRB連邦準備制度理事会)の理事7名や地区ごとの連邦準備銀行総裁5名で構成されており、アメリカの金融政策を決定する最高意思決定機関である。定期的に約6週間ごと年8回開催される他、必要に応じて随時開催される。

声明文は、FOMC開催最終日(アメリカ東部標準時午後2時15分頃)に公表、議事要旨は政策決定日(FOMC開催最終日)の3週間後に公表され、市場関係者にとって今後のアメリカの金融政策を予想する手がかりとなる。

2015年の7月27日時点のFOMC委員は以下の通り[1]。委員長はFRB議長、副委員長はニューヨーク連邦準備銀行総裁が務める。委員長・副委員長以外の委員は、FRBの理事全員[2]と(ニューヨークを除く11行の)連邦準備銀行総裁の中から選ばれた4名が任にあたる。現在はFRB理事のポストに2名空席があるため、FOMC委員ポストにも2名空席がある。また、4つの連銀総裁枠については1年ごとの持ち回りで選ぶ輪番制を採っており、11行の連銀を4つのグループに分け、各グループから1人ずつ選ぶ形を採っている[1][3]。

この他、委員ではない連邦準備銀行総裁7名も会議に参加できるが、議決権は持たない。また、連銀総裁枠については、正規の委員以外に「代理委員」(英語では“Alternate Member”、日本語の定訳はない)が5名選ばれている[1]。このメンバーには、ニューヨーク連銀総裁の代理として同連銀の第1副総裁(First Vice President)が毎年常にメンバー入りするが、それ以外の4枠については上記の4グループから1人ずつが選ばれる[1]。現在では、前年にAlternate Memberになった連銀総裁が翌年の委員になる、というパターンが続いている。

委員長
ジャネット・イエレン(FRB議長)
副委員長
ウィリアム・ダドリーニューヨーク連邦準備銀行総裁)
委員(FRB理事)
ラエル・ブレイナード(元米国財務次官[4])
スタンレー・フィッシャー(イスラエル銀行前総裁[5])
ジェローム・パウエル(カーライル・グループ元幹部[6])
ダニエル・タルーロ(元ジョージタウン大学ローセンター教授[7])
空席2名
委員(連邦準備銀行総裁)
チャールズ・L・エヴァンスシカゴ連邦準備銀行総裁)
デニス・ロックハートアトランタ連邦準備銀行総裁)
ジェフリー・M・ラッカー(リッチモンド連邦準備銀行総裁)
ジョン・C・ウィリアムズ(サンフランシスコ連邦準備銀行総裁)
代理委員
ジェームズ・B・ブラード(セントルイス連邦準備銀行総裁)
エスター・ジョージ(カンザスシティ連邦準備銀行総裁)
ロレッタ・メスター(クリーブランド連邦準備銀行総裁[8])
エリック・ローゼングレン(ボストン連邦準備銀行総裁)
マイケル・ストライン(ニューヨーク連邦準備銀行第1副総裁[9])

連邦準備制度(れんぽうじゅんびせいど、英語: Federal Reserve System, FRS)は、アメリカ合衆国中央銀行制度である。ワシントンD.C.にある連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board, FRB)が全国の主要都市に散在する連邦準備銀行(Federal Reserve Bank, FRB)を統括する。

連邦準備制度理事会連邦議会の下にある政府機関であるが(ただし予算の割当は受けない。)、各連邦準備銀行は株式を発行する法人(body corporate)である(#連邦準備銀行の株主)。恐慌を収拾するついでに貿易金融を統括する機関として、連邦準備制度ジョン・モルガンをはじめとするメガバンク代表者の秘密会議で立案された。モルガンを中心とするイギリスとヨーロッパの歴史が、世界金融危機ベイルアウトへ至るメガバンク連邦準備制度の関係を基礎づけた。