地球の地殻ではわずかに20-30 gほどではあるが 223Fr が常に存在

フランシウム(羅: francium)は原子番号87の元素。元素記号は Fr。アルカリ金属元素の一つ(最も原子番号が大きい)で、典型元素である。又、フランシウムの単体金属をもいう。

223Fr はアスタチンと同じくウランやトリウム鉱石において生成と崩壊を絶えず繰り返すため、その量は非常に少なく、フランシウムアスタチンについで地殻含有量が少ない元素である。地球の地殻ではわずかに20-30 gほどではあるが 223Fr が常に存在しており、他の同位体は全て人工的に作られたものである。最も多いものでは、研究所において300,000以上の原子が作られた[1]。以前にはエカ・セシウムもしくはアクチニウムK[注釈 1]と呼ばれていた。

安定同位体は存在せず、最も半減期が長いフランシウム223でも22分しかないため、化学的、物理的性質は良く分かっていないが、原子価は+1価である事が確認されていて、化学的性質はセシウムに類似すると思われている。アクチニウム227の1.2%がα崩壊して、フランシウム223となることが分かっている。また、フランシウムアスタチンラジウムおよびラドンへと崩壊する、非常に放射性の強い金属である。

フランシウムは合成でなく自然において発見された最後の元素である[注釈 2]。