集合 X に対し、X の部分集合族 τ が X の位相であるとは、 空集合 ∅ および全体集合 X は τ の元 τ の元の任意の合併は τ の元 τ の元の任意の有限交叉は τ の元 の三条件をすべて満たすときに言う。τ が X 上の位相であるとき、対 (X, τ) は位相空間と呼ばれる。

位相(トポロジー[注釈 1])は、大まかに言えば集合の元が互いにどの程度空間的に関連があるのかを示す、この分野の中心的な数学的構造である。一つの集合には複数の異なる位相が入り得る。例えば、実数直線、複素数平面、およびカントール集合は異なる位相を持つ同一の集合と見ることができる。

厳密に言えば、集合 X に対し、X の部分集合族τ が X の位相であるとは、

空集合 ∅ および全体集合 X は τ の元
τ の元の任意の合併は τ の元
τ の元の任意の有限交叉は τ の元
三条件をすべて満たすときに言う。τ が X 上の位相であるとき、対 (X, τ) は位相空間と呼ばれる。集合 X に特定の位相 τ が備わっていることを Xτ と書き表すこともある。

τ の元は X の開集合と呼ばれる。X の部分集合が閉であるとは、その補集合が τ の元となる(つまり補集合が開集合となる)ことである。X の部分集合は、開でも閉でもある(開かつ閉集合)こともあれば、そのどちらでもないこともある。空集合と X 自身は常に開かつ閉である。点 x を含む開集合は x の(開)近傍と呼ばれる。

位相空間から別の位相空間への写像が連続であるとは、任意の開集合の逆像が開であるときに言う。これは、実数を実数へ写す写像(ただし実数直線の位相は通常の位相を入れる)の場合には、初等解析学における連続函数の定義と同値である。連続写像単射かつ全射であって、その逆写像もまた連続となるならば、その写像同相写像(あるいは単に同相)と呼ばれ、また写像の定義域はその像と同相であると言う。これはこの写像が位相の間の写像を自然に引き起こすということもできる。互いに同相な二つの空間は、同一の位相的性質を持ち、従って位相的には同じ空間と考えることができる。例えば立方体と球面は同相であり、同様にコーヒーカップとドーナツは同相だが、他方円とドーナツは同相でない。