左の舌べら

左の舌べらが不器用だとわかった。そして物事の核心がそこにあるような気がした。そこから紡ぎ出す言葉はどうしても右回転をしてしまう。嘘の言葉は衣を纏ってしまう。左の舌べらから左に上がった言葉はおかしな感じがするけれども真実の言葉。僕がずっと描きたかったもの。なるべく少な目に話そうとはしょりはしょって結局右に流れた言葉は闇をさまよった。もう遠回りするのはよそう。ここが盲点でいつも鏡越しに世界を見てた。右の世界に気づいたときからずっと探してた。ずっとたどり着きたかった。ときにはウケをねらった。もう関係ない。左の舌べらが不器用だとわかった。そして物事の核心がそこにあるような気がした。