ストレスと圧力と速度

耳に圧力を感じた。見るのは仕事の夢ばかり。できるんだろうか俺に。家に帰れば家事をしなくてはならない。ボディソープも買わなきゃいけないし。子供のワイシャツも買わなきゃいけない。とりあえずこのふたつをやるか。そのかたわらでリラックスしてる家族たちを微笑ましくは笑えない。冗談みたいな発破で圧力を斥けることもできない。あるいはソッチに転嫁することも。

ストレスと圧力と速度。圧力に圧力で対抗することなんてできない。耳の圧力は落ちれば心労に下りてくる。難聴。やっぱ速度を上げるしかないから。心労は脳波に変わる。手当たり次第やってくしかない。靴下のタグを切って。鼻毛を剃って。髪を切って。明日には子供の弁当を作る。理系の人が答えを出してくれるまで。文系の人は今の仕事を続けるしかない。30分だけ桜を見に行かないか。君と僕は二人の兵士ではない。矢面に立つのは交代として。誰に見られるわけでもない自分を少し誇らしく思いながら。立ち止まれば疲れはどっと出るんだ。