将来の創薬につながるたんぱく質の結晶生成。宇宙に行くのは普通だった。実験もいい意味で流れ作業になっていて、どんどん数をこなして成果を挙げられる。宇宙は別世界と思われがちだが、誰でも利用できる場だと感じた。

国際宇宙ステーション(ISS)の長期滞在を終えて帰国した金井宣茂さん(41)が30日、東京都千代田区宇宙航空研究開発機構JAXA)東京事務所で記者会見し、「意外に宇宙に行くのは普通だった。将来的にいろいろな人が旅行で行ける場所だというのを広く伝えたい」と語った。

金井さんは昨年12月、ロシアのソユーズ宇宙船でISSに到着。約5カ月半の滞在を終え、今年6月3日に帰還した。

海上自衛隊の医師出身の金井さんは滞在中、将来の創薬につながるたんぱく質の結晶生成など多数の宇宙実験を行った。「実験もいい意味で流れ作業になっていて、どんどん数をこなして成果を挙げられる。宇宙は別世界と思われがちだが、誰でも利用できる場だと感じた」と強調した。
 自らを被験者とした医学実験にも数多く参加したといい、「採血をする際、同僚の飛行士から『医者だよね』と毎回頼まれ、いいように使われてるなと思いながら、医者として楽しんだ」と笑顔で振り返った。