いちごごはん

理念だけがそびえ立つ市役所。本当の自分をどこに置いて来た?カラスがビルの上を旋回した。死ぬときってやっぱ苦しいのかい?カラスに聞いてみた。間違いない。帰って寝てる息子たち。でかくなったもんだな。かわいかった仕草を思い出しては口に出して確かめた。忘れそうだよ。でもまだ太陽の光が体の中に残ってるんだ。まだ走れるだろ?もう無理そうだよ。そう言って降りた自分を想像した。いつだって降りられるんだよな。そう確認したけど結局降りてこなかったあの人の姿を見て「なあ、あんたはどうやって生きてきたんだい?バカなのか?バカなんだな?」バカな言動とバカな長い長い人生だけが見えた。もっといいとこあんのにさ。もう目もやれないや。それでもやり続けたらおまけに市長にでもなれんのかい。議員に当選して議長、市長とさ。議長あんたが市長になったほうがよっぽどいいんじゃないのかい?上手な発言をしたらそう言う人も増えたな。これ理想映像?とんでもないよ。なりたくもない。金ならとっくに欲しくない。で、なんのためだったっけ?差別解消のためか?全員が溺れてる水泳大会。いちごごはんの水着。誰かに言いたくなって言えなかったから電車を見送った。まだ心はうまく操れないみたいね。だから明日は姿勢を正すよ。正さなくても言いたいことうまく言えるようにさ。ただそれだけ。