ゲーデルの定理によると、
第1不完全性定理
自然数論を含む帰納的公理化可能な理論が、ω無矛盾であれば、証明も反証もできない命題が存在する。
第2不完全性定理
自然数論を含む帰納的公理化可能な理論が、無矛盾であれば、自身の無矛盾性を証明できない。
「私はいつもウソをつく」と言えば、それ自体で真実なのかウソなのかはわからない。
つまりはそれを囲った世界が必要なわけだ。
それを考えると一方で公理として、
すべての集合 x に対して、x ∈U のようなグロタンディーク宇宙 U が存在する。
がある。ゲーデルの定理は、その言葉から実に哲学的な世界観が支配してしまうような気配がするが、こちらのグロタンディーク宇宙の公理と組み合わせると、メタ言語において再帰的関数だなんだと考えを巡らせて完成させられた定理も、神の巡り合わせのように、目で見える形ですっぽりはまっていくような、何かひとつの均衡が生まれるような感覚がする。コンピュータの分野でグロタンディーク宇宙がとても役に立っているという話はあまり聞かないが、グロタンディーク宇宙を検索すれば必ずあるということなのだから、ここに繋がりはきっとあるはずだ。