背丈に合った恰好したって。どうせばれてしまうんだ。あきらめた夢を。痛い誰かが別れることを選んだ。ほんとうの自分から。

ふたりの世界。世界のすべて。違わないかい。この世はどうありたいの?宇宙飛行士になりたい子供がいて、水蒸気一滴で宇宙ステーションは爆発してしまう。空を飛ぶような粘性解の平均曲率流方程式も。笑って飛べるほど楽じゃない。甘い恋っていったいなんだい?どうして僕ら出会ったの?どうして生まれてきたの?甘い線なんて一本も引けないのに。運命みたいに恋をして。また宇宙を生み出す。もう一つは生まれてきた命。そのあとにもう一度僕らが生まれて、生きてきた意味を確かめ合う。恋の炎に焼かれて、見た目は驚くほど惨めで。それでも僕ら出会えるというの?だからこそ僕ら生きた。醜い肌の上で。笑ってよ。抱きしめてよ。背丈に合った恰好したって。どうせばれてしまうんだ。あきらめた夢を。ほんとの夢は何だ?もう一度あの日君は横浜でベンチに座って缶ビールを飲んだ。高級料理店にも行かず、ただ街並みに包まれていた。その佇む絵を僕は貰って本当のことはもっと輝けるんだって確認する。ふくよかな夜をした君が本当のことを知らないはずがない。出会えない自分をただずっと待って天使のように光を舞ってくれていた。そういうのが必要なことで、痛いのかもしれない。痛くないのを望んでいない一方で。でも正直手を取りたいし、二人の世界。世界のすべて。違わないかい?痛い誰かが別れることを選んだ。ほんとうの自分から。そのときから世界は身悶えて。それは誰かを食わそうと思った今なんじゃないのか?美しい服を着せた今なんじゃないか?