30時に捻子を締め直す下界

もっと恋してたかったけどって君から離れたとき。生きるために。君の口が開いた気がした。僕は物みたいな人間だ。24時に起きて捻子を締め直す。26時に地震が起きるかもしれない。28時に隕石群が落下したら。また30時に捻子を締め直す。一つ一つの式だって宝石みたいだったけど、差分にしてドライバーみたいに使うことだってあるんだ。人が挟まれたギアに宝石を噛ませるみたいに放り込む。ごめんけど俺は。本を読んでたら悲しい気持ちも解れていくかもしれない。俺は物みたいだって落ち着かない気持ちでいたけど。本を読むことをやめなければいつのまにか望んだような地面ができるかもしれない。そうなんだよ。地面を作ってるのも俺なんだ。粘性解の収束地は2だって言った。上界はできたけど下界のことをすっかり忘れてた。理論ばっかりじゃダメなんだ。下界は拡げればいいのかはわからない。人は地球以外の土地を拡げたことだって僅かに月に降り立ったくらいだ。深く掘ればそれは反対側の上界になるんだけど、なんせ僕たちは「降り立ちたい」のだ。地球環境を見ればわかるが下界とはいとも弱いものだ。そしてそれは人の行動に掛かっている。縺れ合い引っ張り合えばたとえ火星の土地を開拓したっていとも簡単に壊れてしまう。かといって我々は地面をふみこむとき、「それが弱い物」だと認識して踏み込まないだろう。そうだ。それは「昨日の自分」なのだ。この地球を、下界を、強固な物にしただろうか?俺も本を読むことから、こうして自分の実験をすることが増えた。「地面」が安々と買えなくなってきているということか。上界の地面は思考実験するだけでよかった。「理論的に可能か」から「今可能か?」ということが問われてきている。