蒼糸法律事務所、蒼糸ラーメン、ほんとは悲しくて食えない。人によって会計が違うなど、あるはずがない。戦争でたくさん人が死んで、せめていま生きてる人は死なせない、それは認められる、と思っている。だが、たくさん死んでいった人が、われわれの頭の中にあって、それが怖い。白目剥いてる、とよくゆうが、われわれは出会ったことすらない。幸せ、とは。われわれはなぜ風船をとばすのか、われわれは風船しか見ることができない。飛んでいった風船は、割れるとき鉄に変わる。それが哲学かもしれない。とにかく人によって会計が違うなどありえない。だが、われわれは人を見たことがないのだ。因果応報のテレビは見せられる。まるで分光器のように。だが、誰が誰だかわからない。作り上げたのが、彼で、完成させたのが、彼なら。われわれは虹にいて、地球に住んでいない。これが望月新一と私と川谷絵音の新作だ、といったら川谷絵音は納得してくれるだろうか。僕の蒼糸をぱくっている、と。しかも望月新一の名前が出てきていない。最大限のレンズで人とそのまわりにあるかすかな物を見たら、一瞬で蒼糸となり、それは二度と現れることはなかった。だから蒼糸法律事務所と名付けたのだ。