たとえば自分が住んでいるまちのどまんなかに冷却水を通すということをはじめることはできないだろう。だが、総合商社であればこれができる。もしなにかを、たとえば超伝導高速道路を始めたいと思ったときに、ただ技術者であるだけなら、大胆な発想ができず、不可能としてしまうことも、総合商社と一体となって考えを進めることで、大胆なスタートを切ることができ、その大胆さゆえに、複雑に絡み合った途中でまた新たな発見ができる。M&Aもこのなかに入る。だが商社マンが酒や女に溺れるのは残念だ。もしかしたら利益を上げることの歪みが、人間性を失って、弱い者に流れていく鬱に耐えられないからかもしれない。どちらにせよ自分自身でいれなくなるのは嫌だ。楽しくなく、少し俯瞰してるような幽体離脱みたいな気分になるのだ。ある種東京全体から発せられている幽体離脱感である。生粋の東京都民にはこの幽体離脱して、ちょっと上から見て、知らず知らずのうちに人身売買を犯している、少し体から魂が抜け出している感は否めないのだ。