デルタ関数は関数に似てはいるが、実は関数ではない。これを関数だと認めると、数学での分類の上ですっきりしない部分が出てくるらしいのである。それで数学では関数 (function) ではなく超関数 (distribution) というものに分類されている。しかし物理学徒はそのようなことには無頓着なのだ。
テレビにフリップとプログラムコードが同時に出るっていう。
ケイ素生物(ケイそせいぶつ)は、SFなどでよく登場するケイ素(シリコン)で出来ている生物の総称。ケイ素生命ともいわれている。
地球上の生命は炭素を中心として構成されているが、これは炭素の持つ原子価が四つであり、多様な結合が可能であるからである。SF世界においては、炭素と同族で原子価が四つであり、『生命のようなもの』が出来うるのではないかという観点から、ケイ素が注目された。実際、地球上のケイ素のほとんどは二酸化ケイ素の形で、鉱物質だが、人工的にはシリコンゴムのような有機物的な高分子も作られている。ケイ素生物に対し、地球上の生物のような炭素を中心に構成された生物を「炭素生物」と呼ぶ。
SF作家で生化学者でもあったアイザック・アシモフの短編「もの言う石(英語版)」(『F&SF』1955年10月号、のち『アシモフのミステリ世界』に収録)に登場する「シリコニー」が有名。卵形で、底面からは放射状に6本の脚が出ており、緩慢に動く。「もの言う石」は日本では『S-Fマガジン』第2号(1960年3月号)に訳載され、多くのSFファンに強い影響を与えた[1]。
「ケイ素を中心にできた体は岩石っぽくなるのではないか」「原子量がかなり大きくなるから反応速度も格段に遅くなり、人間が見ていても生命活動している事に気がつかないくらいになる」「だからむしろ高温の惑星上で生活するに違いない」等の想像がなされてきた。
炭素―炭素結合とは違い、常温常圧ではケイ素―ケイ素結合はパイ結合やシグマ結合による二重・三重結合を作る傾向がほとんど無く極めて不安定である。よって、ケイ素を中心に置いた化合物は、有機炭素化合物のアルカンに相当する有機シランがほとんどであり、少なくとも地球と類似した環境の星ではケイ素生物が存在するとは考えにくい(有機ケイ素化合物を参照)。環境が異なる場合を想定しても、ケイ素を中心に構成される化合物は、炭素のそれよりも遥かに種類が少ない。カール・セーガンは、地球外生命体が存在するとしても、それは炭素生物であると考えるのが自然であり、ケイ素生物は非現実的であると述べている。
現実の生物にも、多量のケイ素を含むものはあるが、それらは二酸化ケイ素の形で、ガラス質の骨格や殻、あるいは内部にその結晶をふくむなどで、生物学的な活性を持っているわけではない。ケイソウや放散虫などの単細胞生物のつくる骨格、イネ科植物が細胞内に蓄積するプラント・オパールなどが知られている。
もの言う石(英語版)(アイザック・アシモフ)
宇宙船∞号の冒険(シリコニア・カウンタマス)(川又千秋)
火星のオデッセイ(スタンリイ・G・ワインボウム)
朝のガスパール(筒井康隆) - 作中作であるオンラインゲーム「まぼろしの遊撃隊」にシリコニイが登場する。
燃える傾斜(眉村卓)
超・博物誌(山田正紀)
涼宮ハルヒシリーズ「涼宮ハルヒの憤慨」(谷川流)
月の珊瑚(奈須きのこ)
9S(葉山透)
されど罪人は竜と踊る(浅井ラボ)
地球の汚名(豊田有恒)
歌の降る惑星(菅浩江)
MM9―destruction―(山本弘)
ガメラ2 レギオン襲来(レギオン)
パシフィック・リム(怪獣)
サンダーマスク(手塚治虫)
攻殻機動隊2(士郎正宗)
BLAME!(弐瓶勉)
マップス(長谷川裕一)
超人ロック「ソード・オブ・ネメシス」他(聖悠紀)
スプリガン(皆川亮二)
ARMS(皆川亮二)
レヴァリアース(夜麻みゆき)
ジーンダイバー
無限のリヴァイアス(ヴァイア)
ガイスターズ
蒼穹のファフナー(フェストゥム)
ジオグラマトン(CLOCKUP)
ツヴァイ・ウォルター(CLOCKUP)
マブラヴ オルタネイティヴ(âge)
メトロイドプライム ハンターズ(スパイア)
ピクミン2(ゾウノアシ)
メタルブラック(タイトー)
スターオーシャン4 -THE LAST HOPE-(トライエース)
輝光翼戦記 天空のユミナ(ETERNAL)
サイバーナイト(トンキンハウス)
ロールプレイングザバグ(北村想)
^ 筒井康隆 『私説博物誌』 新潮社〈新潮文庫〉、1980年5月25日、65頁。
カチオン-π環化は有機化学における反応様式の一つであり、五員環や六員環化合物の構築に有効である。
非環状分子のカルボカチオンが二重結合などのπ結合の近傍に生じると、このπ結合が求核的に分子内反応し、閉環反応を伴いつつC-C結合を形成して新しいカチオンを含む環状化合物を形成する。このような環化反応は、プロトン酸(H2SO4, HCO2H, CF3CO2H)あるいはルイス酸(F3B・OEt2, TiCl4, SnCl4)を用いて比較的安定なカルボカチオンを穏和な条件で生成できれば、円滑に進行する。アルケン、第三級アルコール、アリルアルコール、エポキシドおよびアセタールなどがカチオンの一般的な前駆体になる。
π結合(パイけつごう、pi bonds)は、分子内の隣り合った原子同士の電子軌道のローブの重なりによってできる化学結合である。π結合はp軌道を意味するギリシャ文字の"π"から命名された。
π結合は二つの原子のp軌道の間で直接的に電子が共有されている。π結合は原子核の正電荷から距離があり軌道の重なりも小さい為に、σ結合よりも結合力が弱く、エネルギー準位が高い。 なお、「π結合」というのはあくまでも「結合軸の周りで軌道を回転すると、半回転したときに符号が逆になる」というものであるため、p軌道同士の重なりに限定されない。例えば結合軸をz軸にとったとき、一方の原子のdxz軌道ともう一方の原子のpx軌道から出来る結合や、両原子のdxz軌道から出来る結合もπ結合である。
二重結合あるいは三重結合している原子は1つのσ結合と残りは通常π結合とから構成される。π結合は平行に配列した軌道の重なりによって生じる。それは2つの軌道が縦方向に一次結合し、σ結合よりも長くなっている。π結合上の電子は時としてπ電子と呼び表される。
カルボカチオン (英: carbocation) は炭素原子上に正電荷を持つカチオンのことである。電気的に中性な有機化合物の炭素原子からヒドリドイオンが脱離した形の3価の炭素のカチオンと、電気的に中性な有機化合物の炭素原子にプロトンが付加した形の5価のカチオンがある。
IUPAC命名法では、そのカルボカチオンにヒドリドイオンを付加した炭化水素の語尾を -ylium に変更して命名するか、そのカルボカチオンからプロトンを除去した炭化水素の語尾を -ium に変更して命名する。すなわち CH3+ は CH4 メタン (methane) の語尾を -ylium に変更してメチリウム (methylium)、CH2 メチレン (methylene) の語尾を -ium に変更してメチレニウム (methylenium) と命名する。CH5+ はメタンの語尾を -ium に変更してメタニウム (methanium) と命名する。
このIUPAC命名法に従うと従来3価のカルボカチオンに対してしばしば使用されてきたカルボニウムイオン (carbonium ion) は5価のカチオンと混同する可能性がある。そのため、3価のカルボカチオンについては2価の炭素化合物であるカルベン (carbene) にプロトンが付加した形であることを強調してカルベニウムイオン (carbenium ion) という語が特に使われることもある。
二ホウ化マグネシウム(にホウかマグネシウム、magnesium diboride、MgB2)はホウ素とマグネシウムからなる無機化合物で、六方晶の層状物質。結晶構造は AlB2 型構造 (P6/mmm)。これは、ホウ素がグラファイトのように亀の甲(ハニカム)状となって層状に積層した間を、マグネシウムがインターカレート(intercalate, 挿入)したような構造である。金属間化合物であり、金属の性質を示す。ホウ素層内は主に共有結合であり、ホウ素層、マグネシウム層間はイオン結合的な力で結合している(この点が、グラファイト層間のファンデルワールス結合と異なる)。
2001年1月に青山学院大学の秋光純らのグループが、ごくありふれた物質として市販もされていた MgB2 が、実は 39 K(ケルビン)で超伝導を示すことを発見した[1]。転移温度は銅酸化物を中心とした高温超伝導物質よりはるかに低いが、金属間化合物(あるいは金属)ではNb3Ge(転移温度 23 K)以来の更新であった。
MgB2 における多重超伝導ギャップの起源 (The origin of multiple superconducting gaps in MgB2) についての論文が2003年に出版されている[2]。
超電導リニア用コイルとして東海旅客鉄道などの研究がすすみ、2005年愛知万博で超電導リニア用の二ホウ化マグネシウムのコイルが公開された。 JR東海は2007年4月20日、二ホウ化マグネシウムを使った超伝導線材で大型(直径 500 mm)超伝導コイルを製作、これを使用して(液体ヘリウムなどの液体冷媒でなく)冷凍機で冷却して磁界を発生させ錘(おもり)を浮上させる実験に成功したと発表した[3][4]。 二ホウ化マグネシウムは山梨リニア実験線で使用されているニオブチタン合金よりも臨界温度が-234℃と35℃高く、効率よく超伝導状態を維持できる。臨界温度はセラミックス系のほうがさらに高いが、二ホウ化マグネシウムはセラミックス系より丈夫で扱いやすく実用化上コストパフォーマンスが高い[要出典]。JR東海では2003年に二ホウ化マグネシウムの線状化に成功、2004年にコイルを製作、当時世界最高の磁界を発生させた。従来は直径 30 mm であったが2007年4月には直径 500 mm の大型コイルを製作、(これを液体ヘリウムに直接浸し冷却した従来の方法に対し)冷凍機による伝導冷却で、磁界を発生させることができ、世界初の試験であった。実際には0.05テスラ程度の磁界が発生したと想定され、約 630 kg の錘を浮上させた[要出典]。 直接浸して冷却する方式は、安定して冷やせる一方で、メンテナンスに手間がかかるという欠点があるが、リニアへの応用実用化を考えれば、伝導冷却ならば冷却装置も簡素化でき、全コストの低減も期待できるという[要出典]。
インターカレーション(Intercalation)とは、分子または分子集団が他の2つの分子または分子集団の間に入り込む可逆反応のこと。
これには下記の種類がある。
グラファイトインターカレーションとはグラファイトの正六角形平面を重ねた構造の特定の一面に他の物質層が入り込む現象。入り込む物質をインターカラントと呼ぶ。たとえばグラファイトの間にカリウムが入り込むC8K、C21K、C36K、C48Kなどがある。 携帯電話などのリチウムイオン二次電池にこの現象が利用されている。
リガンド(ligand; ライガンド)とは、特定の受容体(receptor; レセプター)に特異的に結合する物質のことである。[1]
リガンドが対象物質と結合する部位は決まっており、選択的または特異的に高い親和性を発揮する。例えば、酵素タンパク質とその基質、ホルモンや神経伝達物質などのシグナル物質とその受容体などが顕著な例である。リガンドの代わりにはたらく薬物がアゴニスト、リガンドのはたらきを弱める薬物はアンタゴニストである。
特にタンパク質と特異的に結合するリガンドは、微量であっても生体に対して非常に大きな影響を与える。 そのため薬学や分子生物学の分野では重要な研究対象になっている。
リチウムイオン二次電池(リチウムイオンにじでんち、lithium-ion rechargeable battery)は、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う二次電池である。正極、負極、電解質それぞれの材料は用途やメーカーによって様々であるが、代表的な構成は、正極にリチウム遷移金属複合酸化物、負極に炭素材料、電解質に有機溶媒などの非水電解質を用いる。単にリチウムイオン電池、リチウムイオンバッテリー、Li-ion電池、LIB、LiBとも言う。リチウムイオン二次電池という命名はソニー・エナジー・デバイスによる[9]。
BCS理論では電子-格子相互作用を介して電子同士がフォノンを仮想的に交換(或いはフォノンを介して運動量を交換)することによって、電子同士に引力が働くと考える。この引力によって生じる電子対(スピンは互いに逆向き、かつ対の全運動量がゼロ)をクーパー対(クーパーペア)と言う。
核化学(かくかがく、英語:nuclear chemistry)は原子核改変を扱う物理学の分野。原義は原子核反応で生成する人工放射性元素に関する無機化学である。しかし、発足当時はプルトニウムのようにトン単位で生成する核種が学問の中心にあったが、近年発見される新規人工放射性元素は半減期がmsec以下であり、且つ1つ2つと数えられるほどしか生成しないので、すっかり原子核物理学である。あるいは放射化学のことをさしている場合が多い。
原子核に対して、中性子を吸収させるか、他の核種を核融合させると別の核種に転換される。前者は電荷を持たないので比較的容易に核に吸収させることが可能であるが、後者は電荷の障壁を越えるためにエネルギーが必要な一方、余剰なエネルギーは核を不安定化させて、更なる核分裂の要因となるので、精密な入射エネルギーのコントロールが必要である。
転換された核種が陽子過剰あるいは中性子過剰が進むと不安定核となりアルファ崩壊、ベータ崩壊や核分裂を引き起こす。一方、核子数の魔法数(マジックナンバー)が知られており、特定の数の場合エネルギー準位の閉殻構造をとるので原子核が安定化すると考えられている。
魔法数(まほうすう)とは、原子核が特に安定となる陽子と中性子の個数のことをいう。陽子数または中性子数が魔法数である核種を魔法核と呼ぶ。
核構造のシェルモデルでは、殻(シェル)が「閉じている」状態(閉殻)は安定性が高く、崩壊や核分裂が起きにくくなる。計算上特定の値が該当し、魔法数となる。陽子と中性子はよく似ているので同じ値となる。
現在、広く承認されている魔法数は 2, 8, 20, 28, 50, 82, 126 の7つで、原子番号がこれらにあたる元素は、周辺の元素に比べて多くの安定同位体を持っている。中性子数がこれに該当する同中性子体についても同様で、例えば核種の一覧を見ると、縦の20と横の20には安定同位体が並んでいるのがわかる。
一部の中性子過剰核では、8, 20, 28は消えて、別の魔法数である 6, 16, 32, 34 が現れる事が研究によって示されている[1][2]。この領域のことを反転の島(Island of inversion)と呼ぶ。(50、82は維持される[3])。
魔法数は1949年にマリア・ゲッパート=メイヤーとヨハネス・ハンス・イェンゼンによって理論的な説明が成され、ノーベル賞授与対象となった。