Grass Roots〜sustainable energy as the way you are

バイオプラスチック(bioplastic)とは、生物資源(バイオマス)から作られたプラスチックである。

主にデンプンや糖の含有量の多いトウモロコシやサトウキビなどから製造される。技術的には木、米、生ゴミ、牛乳等からも製造可能であるとされている。

バイオプラスチックの大きな利点は、元来地上にある植物を原料とするため、地上の二酸化炭素の増減に影響を与えないカーボンニュートラルの性質を持っていることである。ただし、従来のプラスチックと同様にバイオプラスチックの製造時にもエネルギーを必要とするため、完全なカーボンニュートラルではないとの意見もある。

バイオマス起源の素材を利用することで地球温暖化対策になる。植物が大気中の二酸化炭素を固定して生成した物質を使ってつくるプラスチックであるため、それを燃焼廃棄しても二酸化炭素の収支はゼロとなる。

焼却する場合、燃焼熱が低い上、ダイオキシン類が発生しない。

バイオプラスチックの多くは生分解性プラスチックとしての性質を持つ。微生物によって水と二酸化炭素に分解され、その二酸化炭素を元に植物が光合成によってデンプンを作り出し、デンプンからまた生分解性プラスチックの原料を作り出すことができるので循環性がある。

生分解性プラスチックは、プラスチックとしての機能や物性に加えて、ある一定の条件の下で自然界に豊富に存在する微生物などの働きによって、分解し最終的には二酸化炭素と水にまで変化する性質を持つプラスチックです。したがって、農業用のマルチフィルムや、食物など有機性廃棄物の堆肥化のための収集袋など、微生物分解性の機能を活用できる分野では、環境負荷低減に寄与することから注目されている素材です、これに対しバイオマスプラスチックは特別な性質を利用するものではなく、原料として植物などの再生可能な有機資源を使用することにより、枯渇が危惧され地球温暖化の一因ともされている石油にできるだけ頼らずに持続的に作ることができることから注目されている新しいプラスチック素材です。
したがって、バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックは、全く異なった2つの概念をもっています。

バイオマスプラスチックの原料に使われる植物などの再生可能資源は、数億年の長い年月をかけて地中に蓄えられた化石資源と異なり、大気中の炭酸ガスを植物の炭酸同化作用(光合成)により吸収した結果蓄えられたものなので、使用後燃焼などにより二酸化炭素に戻っても、地球温暖化の原因と言われている大気中の温室効果ガスの濃度上昇を来たすことがありません。このようにバイオマスプラスチックは人間の快適な生活に必要な自然環境を維持しながら、有用なプラスチック素材を供給できることから、今後より一層の普及が期待されております。

現在、開発が進んでいるバイオマスプラスチックはポリ乳酸(PLA)やポリヒドロキシアルカン酸(PHA)等、かなり以前から存在が知られた化合物ですが、当時は、効率よく原料を製造したり、プラスチックに重合したりする技術がありませんでした。しかし、バイオケミストリーの研究開発が進むにつれ、石油を原料にしなくても、植物由来の原料を使って同じレベルのコストで、色々な化学品が製造できる可能性が高くなってきています。また、精製の技術が進歩したことにより品質的にも向上し、また、プラスチック加工技術の進歩により、広い商品分野で、使える状況になってきています。バイオケミストリーを中心とした技術の進展が、バイオマスプラスチックの製品開発を可能にしてきたといえます。

100%植物から作られている製品は、ほとんどありません。バイオマスプラスチックは原料として化石資源を限定的に使用することができ、バイオマスプラスチック製品は従来のプラスチックと同様に、商品として必要とされる性能や機能を確保するために様々な材料を組み合わせて作られます。このように組み合わせて製品を作ることによって、多くの商品の材料としてバイオマスを使用できる可能性が広がります。バイオマスプラスチックの優位性は、基本的に枯渇性の化石資源をできるだけ使わずに有用なプラスチックを持続的に作れることと、それによって、大気中の二酸化炭素濃度を上昇することを抑制する効果に大きな意味がありますので、高い比率で植物から作られているかというよりは、全体としてどれだけの量が、石油からではなく植物から使われるかが重要になります。

バイオマスプラスチック製品は、原料がバイオマスであるという特徴から、普通のプラスチックと見分けることは簡単にはできません。そこで、バイオマスプラスチック製品につき、一般の消費者にも正確に識別・認知できその普及促進につなげていくため、日本バイオプラスチック協会は、バイオマスプラスチック製品であることを示す「バイオマスプラマーク」を定め、一定の基準をクリアーした商品には、その表示を許諾する「バイオマスプラ識別表示制度」を2007年7月より運営しております。

バイオマスプラ識別表示制度は日本バイオプラスチック協会が運営する、バイオマスプラスチック製品の識別認証マークを一定の基準をクリアーした商品に許諾する制度です。製品中のバイオマスプラスチックの含有量(バイオマスプラスチック度)が25%以上であることが、規準の中心になっています。バイオマスプラスチック製品であることを明確に表示するには相応の使用量であることが、必須であるとの考えに基づいています。

バイオマスプラマークは製品中に基準以上のバイオマスプラスチックが使われているという事実を証明するマークです。マークが付いていることが直接、環境負荷低減を証明するものではありません。環境負荷の低減については、LCAなど、環境負荷の見極めにより別途その効果を確認することが必要です。バイオマスプラスチックは、原料の部分で化石資源を使わないため、その部分の環境負荷は少なくなりますが、その後の加工・使用・廃棄などの各段階での環境負荷を含め、総合的に評価することが必要です。

バイオマスプラスチックの使用量は、未だ全体のプラスチック使用量と比較すると、1%以下で少量ですが、一部の商品でバイオマスプラスチックを使った商品であることをアピールしている商品については、一般のお店でも入手することが可能です。例えば、コンビニエンスストアーで売られているソフトドリンクのラベルの一部。家庭用のラップフィルムのカット刃などがあります。大型量販店での、卵パック、生鮮物の包装などにも一部使われております。