FAME〜transesterification

脂肪酸メチルエステル(しぼうさんメチルエステル、英: Fatty acid methyl ester、略称: FAME)は、脂肪あるいは脂肪酸メタノールとのアルカリ触媒反応によって生産できる脂肪酸エステルの一種である。バイオディーゼル中の分子は主にFAMEであり、通常トランスエステル化(エステル交換反応(エステルこうかんはんのう、英: transesterification)は、エステルとアルコールを反応させた際に、それぞれの主鎖部分が入れ替わる反応である。アルコールがメタノールの場合はメタノリシスと言う[1]。)によって植物性脂肪から得られる。1トンの油脂と0.1トンのメタノールから、1トンのFAMEと0.1トンのグリセリンが得られる。

細胞の細胞膜および外膜(グラム陰性)脂質に存在する脂肪酸の種類および組成は、主要な表現型形質である。

全ての微生物は特異的なFAMEプロファイル(微生物フィンガープリント)を有していることから、微生物汚染源の追跡のために道具として使用できる。

病原性株を同定するために有用である。

FAMEは空気中の酸素と反応する不飽和脂肪酸由来の二重結合を部分的に含んでおり、分子間で架橋し樹脂化してしまうため、できるだけ酸素に曝らされない状態でなければならない。

ヨウ素価は樹脂の形成の傾向の指標である。これはヨウ素価が存在する炭素-炭素二重結合に比例するためである。ゆえに、高いヨウ素価のFAMEは低いヨウ素価のものよりも簡単に樹脂化する。

バイオディーゼル燃料の主成分は脂肪酸メチルエステルであるが、これは触媒を用いた油脂とメタノールエステル交換反応により得られ、その副産物がグリセリンである。

こうして得られたグリセリンには不純物が多く含まれている。石鹸生産の副産物の場合、活性炭や、アルカリ処理、イオン交換などによって精製を行い、蒸留によって高純度のグリセリンを得ることができる[3]。バイオディーゼル燃料生産の副産物の場合は不純物が非常に多い場合があり、単に焼却されることが多い[5]。

プロピレンからエピクロロヒドリンを経由して合成するのが主であるが、ほかにもアクロレインや酸化プロピレンを経由する方法などが知られている。もっともバイオディーゼル燃料の普及にともないグリセリンは供給過剰になっており、こうした化学合成法はコスト的に見合わなくなっている。

 化学原料としては、爆薬の成分や狭心症の薬となるニトログリセリンの原料として有名であるほか、有機合成でつかうヨウ化アリルの原料である。

植物においてはメチオニン→S-アデノシルメチオニン(SAM)→1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸(ACC)→エチレンという経路を通して合成される[4]。この過程では、SAMからACCへの合成にACC合成酵素が、ACCからエチレンの合成にACC酸化酵素が関与する。

植物ホルモンの1つでもある。一般的には生長を阻害し、花芽形成も抑制する。例えば、ジャガイモの場合、エチレンにより萌芽が抑制される性質がある。一方、パイナップルなど一部の植物では、エチレンにより花芽形成が促進される場合もある。

水が過剰に与えられたとき、エチレンにより根の細胞の一部にアポトーシスが誘発され、シュノーケルと同様の機能を持つエアチューブが形成される。

また、エチレンは果実の「色づき」「軟化」といった成熟にも関与している。これはエチレンがセルラーゼに関与し、細胞壁組織の破壊が誘導されるためと考えられている。また、バナナなどのクライマクテリック型の果実では一般に成熟直後に生成量のピークを示し、それ以後は逓減する。リンゴはエチレンガスを発生させるので、バナナの傍で保管すると、バナナの成熟が早く進む。リンゴとジャガイモを一緒に保存するとエチレンによりジャガイモの発芽が抑制され、また、リンゴとホウレンソウを一緒に保存するとホウレンソウがエチレンにより黄変してしまうといった性質がある[5]。

リンゴのほかメロン、セイヨウナシ、アボカドは特に多くエチレンを放出する[5]。

さらに、エチレンは病原菌(カビや細菌など)の感染や組織が傷害を受けた時に生成され、これらに対する防御応答を誘導することが知られている。例えば、エチレンにより抗菌作用を持つタンパク質が誘導され、病原菌の感染が広がるのを防ぐといった防御機構が考えられている。また、エチレンは気体であるため、病害を受けた植物に隣接する他の植物に対しても作用し、防御応答を誘導すると考えられている。

メチオニン(methionine)は、側鎖に硫黄を含んだ疎水性のアミノ酸である。

対応するコドンが単一なアミノ酸は2つだけであり、1つはAUGでコードされるメチオニン、もう1つはUGGでコードされるトリプトファンである。コドンAUGはリボソームにmRNAからのタンパク質翻訳を「開始」させるメッセージを送る開始コドンとしても重要である。結果として真核生物および古細菌では全てのタンパク質のN末端はメチオニンになる。しかしながら、これは翻訳中のタンパク質に限るものであり、普通は翻訳完了後に修飾を受けて取り除かれる。メチオニンはN末端以外の位置にも出現する。なお、ヒトにとってメチオニン必須アミノ酸の1つである。