昔ながらの紙とペンを使った手作業が打ち込みの仕事に変わってくことが増えた。それはあたかも今まで平面に対する線で行われていたことが、ポイントを叩く打ち込みへと変貌していった改革の様のようだ。確かに線で引かれた世界よりも確率論的にばら撒かれた点群の世界の方が見る方にとっては加工の余地があって圧迫感もない。さて、今まで私が書いてきた記事の中で説明してきた数学や記号の概念が全部まとめてみると、それはあたかも新しい数学の体系を形作っていっているようにも感じる。ここで体系の核となるのが「define once and only」の概念である。まず「define once and only 1+5=7」としよう。これにさらに相対的あるいは絶対的な演算「+、-、×、÷、∧…=f(x)」「∧→∣∧∣」このf(x
)として並び方の入れ替えで演算子を指定する「亀山因子」として紹介した「〇A+△B+□C=+」を組み合わせれば、「閉じた体系」をとりあえずは構成できる。私は通常数学で求められるような閉じた体系を作ることを必ずしも目標としていないが、それというのも若い(本当に若い、たとえば6才の)数学者が、何かを書き連ねていくときに、彼はほとんどそれを閉じた体系を築き上げる目的では書いていないだろう、ということである。私はこういった若い数学者やあるいは新しい世界を求めている人の手助けがしたいし、その意味で閉じた体系というのは若い人たちを失望させてしまっていると感じるのだ。大体我々が生きてきて30年40年、閉じた体系を完成させたとして本当の意味で彼あるいは彼女が満面の人生を描いたような世界を構築したことがあっただろうか。体系が「閉じる」ということは、彼あるいは彼女が精いっぱい生きた証として「閉じるかもしれないし」あるいは「閉じないかもしれない」ものであると思うのだ。それまでは彼あるいは彼女が思い描きたいような世界を精一杯描いたほうがよい。これらは∫Fds=□Eという方程式に表される。