不適格なマテリアルワールド

自分に有利な恋愛がしたい。そう思って嫉妬を掻き立てた。ずっと連なった小道に小石を並べていくように好きな歌を口ずさみたかっただけの君は。やるせなさをいつか纏って風に解く。ずっと見えていた。天まで届くような小石の道は。ばかだなあ僕は。いややっぱり俺のほうがよかったな。ずっと小石だけを並べていた。風に包まれた魂を。いや君が風を作っていたのかもしれないし。いつしか僕は壁からほんとうに頼れるものになった。もうほんとうに君は小石を操っていた。戦闘を回避するように。それはもう信じられなかったよ。遠くに投げた石が僕のこころを休める。まるで僕の一部だったみたいに。はじかれた石は「壊していいよ」といっている。僕はそれを見て笑った。またいつかあいつに操られそうになったら。そのときは体から追い出すんだよ。不適格なマテリアルワールド。ああ。石油だったんだな。甘さも辛さも。そんなふうに人を操っていた。もう贅沢はできんね。神も仏も。1cm2cmと人を動かして。40cmも動かしたらもう飛ぶ。いいわいいわと使ってたのが足元見られてたわけだから。今は服も再生する時代だし。ちょうどよかったのかもしれない。ハリコフの州庁舎が爆撃された。私も市の庁舎で働いているので死んでいたかもしれない。だが州の機能を失ってはいけない。