将来的には量子センサーは自動運転の技術には必須であろう。

いま高速道路を走って自動運転をしている自動車はGPSネットワークで位置情報や速度情報を獲得している。

だが、このグローバルな人工衛星によるGPSネットワークが、もし戦争や国際問題、あるいはハッキングなどによって機能しなくなったときに、ローカルなネットワーク若しくはセンサーで位置情報を獲得する量子センサーは非常に有効である。

グローバルネットワークであるGPSシステムがシャットダウンし、今、高速道路を走っている車が一斉に手動運転に切り替わるとしよう。『手動運転に切り替わります。ドライバーは準備してください。5,4,3,2,1,…0』で、事故を起こすことなくすべての車両が手動運転に切り替えれるだろうか。東名高速道路名神高速道路のような比較的なだらかな高速道路であれば、あるいは事故なく手動運転に、対応できるかもしれない。

だが、自動運転技術が普及し、より複雑な運転へと応用可能な自動運転に対応した場合、たとえばカーブや分岐の多い首都高速道路などでは、GPSグローバルシステムが破綻した場合、急に自動から手動に切り替わった場合、事故が発生する可能性がある。

ここでグローバルシステムを用いない量子センサーを使って、GPSが機能しなくなった場合、車体を中心とした量子センサーを用いれば、この突如とした自動から手動への切り替えを防ぐことができる。GPS機能がなくなったとしても自動運転を継続することができるのである。