DNA自体にアイデンティティはない

よく言われるのが「DNA型が一致しましたので犯人はあなたです」ということなのだが、DNA自体にアイデンティティはない。祖先から長い間蓄積されてきた必要な機能が我々の体には発現しているのであるが、我々の考え方も日々の行動も常々変化してきてそれが即座にDNA型に反映されることはない。もう少し変化をみれば、その日食べた物や体調の変化などが酸性塩基性などに影響されてなんらかの指標となる健康値が変化することはある。結果それによって次の世代では遺伝子型の変化が起こるかもしれない。強いてゆうなればそれがDNAであって、犯人が反省したとか、心情に変化があったとかを記述するものではない。DNA捜査によって得られる限界とはまさにそういうようなところで、犯人は逮捕できても、その人に語りかけているわけではないし、つまるところ対人によって得られるものではなく、第三者としての位置情報を確認するものなのである。