化学は生物的な混じり合いをする

K=[C]^c[D]^d/[A]^a[B]^bは、平衡をあらわす式であるが、これはaA+bB⇆cC+dDといった反応をするときに成り立つものだ。ただし、我々はこのひとつをとって、aA+bB→cC+dDあるいはaA+bB←cC+dDとすることはできない。化学とはある種の平衡にまつわるものであるし、物理のように、この壁を押したら2m動いた、というような1つの物体をクローズアップできるものでもない。その実態を目にすることはできないということだ。つまりはある種の代表元をとって、こういう風が吹いているといっているにすぎない。この反対にあるのが過渡であるといえるが、過渡でないものはないといえる。非平衡といえばつまりは過渡である。われわれが一部分だけを切り取って、これが生物であるといえないことは、どこを切り取っても過渡であるから、といえる。さて、人間の感覚は次の式に従うという。w=klogs+c。ここで、wは感覚量、sは刺激量、kとcは定数である。アンモニア臭に対しては、w=1.54logs+2.54である。この式によって我々に引けるような線は一本も存在しないし、ある種の偏差としてこれは表されるものである。